毎年行う梅仕事ですが、毎年違う仕事をしています。
一番大切にしているのは、お客様に朝お出しする梅漬けですが、
1年おきに漬けていて、今年は漬ける年です。
使う梅は、竜峡小梅(リュウキョウコウメ)です。
「天竜峡」にちなんだ南信地方の梅の品種ですが、
松本地域でもたくさん植えられていて、わりあいスタンダードな品種だと思います。
標高が900m以上ある崖の湯では4月中旬に白い花が咲き、
良い香りとともに春の訪れを知らせてくれます。
梅の木はおおよそ2年に1度豊作になりますので、
メインに使っている梅の木は、今年が豊作のはずです。
山上旅館の梅漬けは樹熟させ、黄色く色づいたものを塩漬けし、
赤紫蘇で色をつけるというもの。
しょっぱい昔ながらの梅漬けですが、
小梅という手ごろな感じが気に入っています。
収穫から仕込みまで梅の実のさわやかな香りに包まれての梅仕事は、
時間に余裕さえあれば、とても素敵な時間なのです。
竜峡小梅はお茶うけ用に青梅を甘いカリカリ漬けにすることが多いのですが、
収穫する時期の見極めがカリカリ漬けはとても難しいです。
私は何度か挑戦していますが、どうしてもカリカリにならず、残念な結果に、、、。
早すぎると実が貧弱ですし、少しでも黄色っぽくなったら、カリカリにはなりません。
県内から湯治でいらっしゃる滞在のお客様は、
たくさんのお茶うけをご持参されます。
その中のラインナップに梅漬けは必ずといっていいほどあります。
名人に作り方やコツをお聞きするのは参考になり、
とても嬉しいひと時です。
さて、今年の梅はうまく漬かるでしょうか?
お客様からの情報によりますと、
高ボッチ山や鉢伏山は、コナシの花が咲いているようです。最近は晴天の日が多く、残雪の多い北アルプス連山がくっきりと見えて、
最高のロケーションとなっています。
この時期は、コナシに続いてレンゲツツジの花が
高ボッチから鉢伏山へ咲きのぼっていきます。
山の日差しはとても強く、日なたはジリッと暑いくらいなのに、
日陰は寒いくらいの冷気で、なんとも差が激しくて、服装にも困る季節。
お客様からのお問合せにどんな服装をすればよいか尋ねられても、
はっきりしたお答えが難しいものです。
高ボッチの牛たちも5月の下旬に上がっているはずですので、
牛たちが草を食むのどかな様子もみられることでしょう。
まさに春山のシーズン真っ只中です!